団こと葉は、なぜ日本に帰ってくるのか?
団 こと葉
まだはっきりいつとは決めていませんが、わたし団こと葉は、2018年後半~2019年はじめには拠点をニューヨークから日本に戻すつもりで考えています。
そこで「なぜ、日本なのか」について、ちょっと聞いていただけたらなと、思っています。
そもそも私はニューヨークという土地には、あまり拘りや憧れがありません。しかし、ニューヨークに集まる世界中の人々は大好きです。だから私は、ニューヨークの魅力は土地ではなく「人」だと思っています。ニューヨークは、いわばその入れ物。才能溢れる人々が集まる、小さくて熱い街、それがニューヨーク。めちゃくちゃ面白いところです。
その一方で、私がやりたいこと、目指していること、というのはものすごく明確で、「私が20代の時に出会いたかった指導者に自分がなる」ということです。そして理念は、ホーム画面にもありますが、「全ての表現者を自由に」。
だから、自分の進む道を選ぶとき、「どこに住みたいか?」ではなく、「何がやりたいか?それが一番出来るのはどこか?」いう考えなのです。
日本にはプロを目指す学校や養成所は沢山あります。でも、プロになったあと学び続けられる、ホームのような場所は少ないです。私自身、プロになって6~7年以上たってから、そのことは大きな悩みとなりました。
今までの努力が実って、大きい役をやっているし、仕事も切れずにドンドン新作へ出演。人から見れば成功なのでしょうが、その先の例えば80点から90点、90点から100点に行くには、プロになる前や、なりたての頃に教わって止まっていた演技の勉強法では限界でした。日々の稽古や舞台からも学べますが、もっと目から鱗、みたいに演技が上手くなりたかったのです。笑
ニューヨークに来て、プロだからこそわかることがたくさんあります。学ぶことに乾いていたスポンジなので、吸収もすごいスピードです。また、こちらでは同じクラスに70歳のベテラン俳優がいたり、となりに昨日テレビでみた俳優が座っているということも多々あります。留学生といえど母国では大活躍する俳優も珍しくないです。
つまり、アメリカのみならず世界中で、「プロになったけどもっと学びたい、この先へ行きたい」と思ってる俳優が沢山いて、その人たちが学んでいるのです。
誰もが彼ら、または私のように、怪我をして、キャリアをストップして、英語も出来ないのに一から勉強しなおして、留学したほうがいいとは思いませんし、実際1週間スケジュールをあけるのも難しいこの業界の方々が、そう簡単に海外に学びには行けないのもよくわかります。
でも、もしこれを読んでいる人の中に、あの頃の私と同じように思っている人がいたなら、私はその人の力になれると思うのです。
私の話にはなりますが、この3、4月はニューヨーク・オフブロードウェイで全編英語のストレートプレイに出演(出演者5人中、唯一のノンネイティブ)、ニューヨークタイムズはじめ各メディアに、Kotoba Dan個人名や写真入りの良い劇評が多数出ました。
両言語での自分の作品の執筆、また演出家として信頼できる俳優たちと自分のやりたい作品作りや、国際色豊かなプロダクションで演出助手もいくつかしてきています。
主催ワークショップや、アフタースクールプログラムで、日本語でも英語でも、定期的にニューヨーク各所でアクティングコーチングをしています。
これは日本でのキャリアだけでも、逆にニューヨークで学んだ2年間だけの経験でも、成し得なかったことです。
「そんなに上手くいってるんだから当然ニューヨークに残るんでしょう」と声をかけてくれる同業者も多いのですが、そんな中で、原点に戻ると、やっぱり私が一番に力になりたい人たちは、そしてそれを求めてくれている人は、日本でいま活躍している現場の人たちだったり、プロダクションだと思うのです。
こんな働き方をしている人を多く知らないので、どんな形にしていけばいいのか、たくさん考えています。色んな方にご相談に行ったりしています。
日本でも単発で、お声のかかったところでワークショップをしたり、個人コーチングをしたり、時間をかけて理想のカリキュラムを作ったりしています。
本格始動の前でも、もしも「なんか団こと葉、面白そう~」と思って下さる方がいましたら、ぜひぜひ連絡ください。
こと葉